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2020.04.09

保証に関する大幅改正(民法改正で知っておくべきこと)

税務に関する情報 経営に関する話題

 今回の民法改正で補償に関する規定も大きく変わりました。改正のポイントは
1.すべての個人根保証に極度額の定めが必要になりました。
 平成16年の民法改正で、貸金債務に関する個人根保証については極度額(保障の限度額)の定めが必要となっていましたが、今回の改正で極度額の定めが貸金債務以外の個人根保証にも必要となりました。したがってすべての個人根保証契約において極度額の差玉が必要で、その定めのない個人根保証契約は無効となったわけです。

2.事業用融資の保証人になるには公正証書により保証の意思表示をすることが必要となりました。
 事業用資金についての保証人になるためには、公証人の前で補償する意思表示をしなければならなくなりました。公証人は保証した場合のリスクについてしっかりお話しするので、安易に事業用資金の保証人になるケースの発生はなくなるでしょう。
 ただしこの公正証書による保証意思の確認手続きには例外があって、法人の経営者がその法人の個人保証をする場合は、必要ありません。したがって多くの中小企業の社長が自らの法人の借入金の保証をしていますが、その個人保証についてはこの手続きは要求されません。

3.保証人に対する情報提供義務の新設
 今度の民法改正で、保証人となる人は主たる債務所に対してそれぞれ次の情報の提示を求めることができます。
(1)保証契約締結時
➀財産及び収支の状況
➁保証しようとしている債務以外の債務の有無、並びのその額及び履行状況
⓷担保として提供しているもの、または提供しようとしているもの
(2)保証契約締結後
➀元本や利息等についての不履行の有無
➁債務の残額
⓷残額のうち弁済期限が到来している者の額
⓸主たる債務者が期限の利益を喪失した場合には、2か月以内に通知しなければならない。
というように、保証人は主たる債務者に対しその情報の提供を要求できるようになりました。主たる債務者がその要求に応えない場合にはその保証契約を取り消すことができます。

4.連帯保証人に対する請求の効果
 従来は連帯保証人に請求した場合には、主たる債務者にも請求したことになったのですが、改正民法では連帯保証人に請求しただけでは主たる債務者に請求したことにはならなくなりました。したがって連帯保証人にばかり請求し続けても、時効の進行は止められない等、債務者にとっては有利になりました。

以上のように、保証に関して民法改正で大きく変わったわけです。

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