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2020.04.09

飲み屋のツケの時効は一年ではないことに注意(民法 消滅時効に関する改正)

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 今月の初めから施行されている「改正民法」は、1896年の民法制定以来の大改正といえます。多くの人は「民法なんて関係ない」と思いがちですが、私たちの日常生活の基本ルールが民法です。民法が今回の改正でどのように変わったのか、ごく簡単にお話しします。

 今回改正された民法ですが、その改正理由には2つの側面があります。一つは民法制定当時に想定していた状況と現在が大きく異なっているため、その変化に対応した改正事項と、もう一つは125年前の民法をもっとわかりやすく改正するという改正事項です。

 まずは、民法制定当時とは全く変わってしまった環境に合わせる改正事項として
(1)消滅時効についての改正
(2)法定利率についての改正
(3)保証に関する改正
(4)提携約款に関する改正
があります。
今回はまず消滅時効について改正されたことを簡単に説明します。
➀ 債権の消滅時効の原則が変わりました
 債権の消滅時効について、従来は「行使できるときから10年」という原則でしたが、改正法では「知った時から5年」又は「行使できるときから10年」のうちどちらか短い期間で消滅時効にかかることになります。
➁ 短期消滅時効という制度が廃止されました
 旧民法では、飲食・宿泊に関する債権は1年、小売等に関する債権は2年、医者や助産婦に関する債権は3年、商事債権は5年という短期消滅時効制度がありましたが、今回の改正で廃止されました。したがって、職業にかかわらず、債権の消滅時効の「知った時から5年、権利を行使できる時から10年という消滅時効が適用されることになります。
 私たちはとても長い間、商売上の債権は一般債権より短い(10年に対して5年)とか、飲み屋のツケの消滅時効は短いとか、今までの消滅時効制度に慣れていました。うっかりすると今までと同じだと思っています。

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