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2021.01.11

「過剰な中小企業がガンという主張」に反論する!

経営に関する話題

 本日(令和3年1月11日)の日経新聞によれば、菅総理大臣の支持率が41%に低下しているそうですが、表情の乏しさや原稿を読むだけの会見を拝見しているとあまり期待がもてないような気がします。日本学術会議の問題にみられるように、菅首相はあまり強烈な主張がないように見えて実は強烈な主張を持っている人物なのかもしれません。
 その意味で気になるのは、菅首相がブレーンとしてデービット・アトキンソン氏を登用したことです。デービット・アトキンソン氏はイギリス生まれのゴールドマン・サックス経由で現在小西美術工藝社の社長となっている人物で、強烈な新自由主義者で日本経済が停滞している原因を「中小企業の数が多すぎること」とし、「中小企業の数を半分程度に減らすべきだ」と主張しています。
 須賀首相は官房長官時代からアトキンソン氏と頻繁に会って教えを乞うているといわれ、インバウンド拡大策の火付け役も彼だったようです。そして彼な、このコロナ禍が日本の中小零細企業再編の絶好機ととらえているようです。

 しかし、「日本の中小企業が多過ぎることが、産業構造の転換が遅れて生産性が停滞している原因」だというのは本当なのでしょうか?これから中小企業を淘汰することが日本国を豊かにして日本国民を幸せにする道なのでしょうか?

 「日本の中小企業のうち半分(約200万社)が淘汰されることが日本の生産性を押し上げ日本を豊かにする」というのはとんでもないまやかしの議論です。中小企業が淘汰されればそこに進出するのは大企業であり、今までその通りに中小企業は圧迫され減少し続けてきました。八百屋や魚屋や雑貨屋が消滅してスーパーやコンビニに変わり、喫茶店がなくなりドトールやスターバックスだけになりました。それで日本は豊かになり国民は幸せになったでしょうか?
 もっと過去に遡ると、日本の山を見捨てて輸入材木にしたことが日本を豊かにしたのでしょうか?農家の長男さえ都会に出るようになって農業は衰退しましたが、それでよかったというのでしょうか?GDPの総額が増えれば国は豊かになったといえるのでしょうか?

 「産業構造の転換」という言葉に騙されてはなりません。日本はかつての産業構造が全く崩れて一次産業が壊滅したのです。「人口が減少して高齢者の割合が高い」という日本に強みを発揮させるのは、「中小企業の数を減らす」ということなのでしょうか?

 高齢者のだれもが医者と介護施設に通い、税金を使うだけの生活をしているのが「生産性の高い」社会であるというのでしょうか?これからの日本の強みを生かすには、「高齢者が生き生きと働く社会」を築くことであり、そのためには「中小零細企業」を極端に淘汰してはなりません。いくら大企業を優遇しても大企業は日本市場に長期的な資金やエネルギーを透過するはずがありません。
 私たちが目を向けなければならないのは、たとえ生産性は低くても、「お年寄りに労働機会を与えること」だと思います。多くの中小企業をゾンビ扱いして「淘汰」したら日本経済は本当に一握りの大企業に握られてしまうと思います。

 中小零細企業しか地域の活性化に汗は流さないのです。そんな中小企業を消滅させてはいけないと思います。

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