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2022.02.14

人類は厳しい時代に進化する

読書の部屋

 「人類の進化」という本を読みました。最近、歴史や物理の関係の本を乱読していますが、人類の歴史も面白いですね。
 現生人類(ホモ・サピエンス)は、チンパンジーやボノボから700万年以上前に「猿人」として分かれたようです。440万年前ころのラミダス猿人の足跡からは直立歩行していることがわかるのですが、その当時の足は手と同じように物をつかむことができました。手も足も物をつかむことができれば便利かと思えば、やはり直立歩行で走るためには少し都合が悪いようです。
 1859年にダーウィンが「種の起源」を発表したとき、その当時のイギリス国教会の聖書には、BC4004年に天地創造が行われて、地球の誕生も6000年前ころだと書かれていたようです。そんな時にダーウィンが「人はサルから進化した」と発表したのですから大変なことです。神の権威を前提にした世界で、神が創造した世界を否定するのはとても勇気がいることです。
 紀元前7世紀に現在のトルコのミレトスという都市で生まれたタレスという哲学者は「タレスの定理」で有名ですが、日食を予言したりピラミッドの高さを測ったりした凄い人ですが、万物の根源は「水」でできていると言ったそうです。その後デモクリトスという人が、万物の根源は原子(アトム)でできており、宇宙全体は終わりのない空っぽの空間から構成され、その中を無数の原子が行き交っていると解釈しました。
 このデモクリトスの考え方は現代の量子論と共通しています。原子の存在が信じられるようになったのはアインシュタイン以降のことなのですから、デモクリトスの考え方が認められるまでに2400年もかかったことになります。
 
 人間という生物が、この世界で生きていくために必要だった進化は、厳しい自然条件がきっかけとなったようです。私が少し不思議だと思っていたのは、なぜ人類は温暖な地で細々と生存する道を捨てて、シベリアやアメリカ大陸にまで拡散していったのかということです。氷期が到来して、自然環境が従来と同じ生活を維持することができないようになったからこそ、衣服を纏い寒さに立ち向かい、大型草食動物を求めて世界各地に拡散していったのです。

 極限状態に追い込まれたときに、生物は絶滅するかそれとも変化するかの選択をするのです。考えてみれば、日本人だってそうだった。生存を脅かす飢えや疾病や戦争がなかったら、苦しい変化に立ち向かおうとしないのが生物の本来の姿なのです。したがって、「変化すべきだ!}、「チェンジ」というのは簡単ですが、極限まで追い込まれないと変わらない。したがって外から極限状態に追い込まれないと変化できないというのは、いつの時代もどこの地域でも同じなのかもしれません。

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