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2022.04.18

ロシアとはどんな国なのか?

ブログ 読書の部屋

 プーチンがウクライナを侵略し、多くの人が亡くなっている。ウクライナの住民はもちろんロシアの兵隊もかなりの人数が亡くなっているという。ロシアという国は不思議な国で、ヨーロッパでも異端の国である。
 そんな国について本当のことを知るために、「ロシア革命史」(角川ソフィア文庫、猪木正道著)を読んだ。私たち日本人はロシアのことはほとんど勉強しない。世界史でロシア革命のことは言葉としては出てくるが、その背景やら意味というのは教えてもらった記憶がない。
 私がロシアと触れた(?)のは、ドストエフスキーの「カラマーゾフの兄弟」や「罪と罰」を読んでだった。どちらも3回は読んでいると思う。ほかの外国の作家も大勢いるのだが、何度も読みたくなるのはロシア文学なのだ。そして「ロシア革命」も不思議なことで、理解できていない。なぜ、産業革命や文芸復興が遅れていたロシアで社会主義革命がおこり、西欧で最も遅れていた国がアメリカと対峙する大国となり、そして滅びた。その国がプーチンによって復活しかけたらウクライナに侵略して、どうやらまたロシアのより一層の没落の幕が上がったような気配だ。
 
 この「ロシア革命史」は第2次世界大戦直後の1946年に書かれたものなのだが、1994年に中公文庫で復刊され、そしてまた令和2年9月に今度は角川ソフィア文庫で再復刊されたものである。この本を読んでロシアの現代が少し理解できた。ウクライナはロシア帝国においても、ソビエト連邦においても中心的な地域なのであり、ロシア正教の本山もここにあるところなのである。そしてロシア人はツァーリと貴族と農奴の3者で構成され続けていた国なのだ。ロマノフ王朝は倒されたけれども、専制政治はツァーリ制はスターリンになっても変わらなかったし、貴族も共産党幹部に代わっただけで変わらない。共同農場では相変わらず「農奴」が働かされ続けていたのだ。
 だからプーチンみたいな専制君主でなければ治まらないのがロシアなのだ。だから「現代」という感覚で今回の事態を「新しい事態」としてみるのは間違っているのだと思う。ロシアは世界で初めて社会主義革命を実現させたように、全く考えもしなかったようなことを行う国なのである。
 プーチンを「戦争犯罪者」、「狂気の専制君主」として見ているだけでは間違うし、非難していれば「ロシアでプーチンが失脚して収まる」というのはどうなのだろう。「経済封鎖して悪い奴をやっつける」というアメリカは当事者意識のない卑怯者の態度?なのだろうと思う。

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